これは塾に限った話ではないけれど、説明ばかりで実践のない授業は生徒が伸びない。
説明を聞いてなんとなく理解した気にはなっても、説明されたことを使わなければ技術を習得することはできない。
説明をたくさんしてくれる人はそれだけで親切に見えるし、良い先生と思われる。けれど実際に良い先生というのは生徒に実践の機会を与えて、その生徒の実力を伸ばそうとする先生である。
そういう先生の授業は実践が多くてしんどい。説明が簡潔でそっけない。でも、学力が身に付く。
学力とは文字通り「学ぶ力」だ。
知りたいことはすべて教えてもらい、疑問の答えはすべて与えてもらい、自分から情報を取りにいかないままでは、学ぶ力は身に付かない。
必要な情報を能動的に獲りにいけるようになることこそが、学校や塾で身に着けるべき「学力」である。
であるならば、授業とは実践の場であるべきだ。
生徒が自分の力で学んだことが必要十分だったかどうか、それが試される場であるべきだ。
そのような場であれば、生徒は試行錯誤しながら学ぶ力を伸ばしていくし、学んだことも血肉になる。
手取り足取りの授業形態で育つのはマリオネットな学力でしかないのだ。